物件探しのなかで、実際に現地を訪れて確認する「内見」は非常に大切なプロセスです。インターネットの写真や図面だけではわからないことが、現地に行くことで多く見えてきます。ここでは、住宅の内見時に注目しておきたいチェックポイントをまとめました。
周辺環境とアクセス
最寄り駅までの道のりは、実際に歩いて確認しておくのがよいです。
道幅や街灯の有無、交通量、夜間の安全性など、暮らしやすさに直結する部分は直接見て体感しておくほうがよいからです。
項目 | チェック内容 |
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最寄り駅までの距離 | 実際に歩いて確認。道の安全性や交通量もチェック |
買い物施設 | コンビニ・スーパーなどが徒歩圏内にあるかどうか |
公共施設 | 小学校・公園・保育園など、生活に必要な施設の距離感 |
騒音・臭い | 交通量の多い道路、飲食店、工場の近さや臭気の有無など |
周辺建物 | 隣接建物との距離、目線の高さ、日照への影響などを確認 |
近隣に嫌悪施設(パチンコ店や風俗店、葬儀場など)がないかもチェックしておくと安心です。
建物外観と共用部の管理状態
集合住宅の場合は、建物の外観や共用部も忘れずに確認しておくのがよいと思います。
項目 | チェック内容 |
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共用部の清掃 | エントランスや廊下、階段などの清掃が行き届いているか |
ゴミ置き場 | 区画が明確で清潔か。ゴミの分別が守られているか |
駐車場・駐輪場 | 設置場所の広さや管理状況。使いやすさやルールの確認 |
外壁・屋根 | 塗装の剥がれやひび割れ、サビなどの劣化がないか |
共用部がきちんと管理されている物件は、住人の意識や管理組合の体制も信頼できることが多いです。
室内の状態と設備の確認
室内では、間取りや内装だけでなく、築年数に応じた劣化状況や設備の機能も見ておきます。
項目 | チェック内容 |
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床・壁・天井 | 傷・シミ・ひび割れ・傾き・カビなどの有無 |
水回り | キッチン・トイレ・浴室の臭い、劣化、換気状態 |
窓・断熱性 | 開閉のしやすさ、すきま風、断熱性能、結露の有無 |
収納・間取り | クローゼットや収納スペースの広さと配置 |
設備 | エアコン、照明、給湯器などの有無と年式、動作確認 |
快適性の確認
暮らしやすさを左右する「快適性」については、実際に滞在して体感するのが一番わかりやすいと思います。
項目 | チェック内容 |
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日当たり | 時間帯による日照の差や周囲建物の影による暗さ |
風通し | 窓の配置や開閉による通気性、湿気のこもり具合 |
騒音 | 外部(車・電車など)および上下階・隣室からの生活音の有無 |
日当たりや通風は、間取り図や写真ではわかりづらいため、現地で体感することをおすすめします。
間取りと動線のチェック
内見では、部屋の広さや配置だけでなく、生活動線や家具の配置もイメージしながら見るのがよいと思います。
項目 | チェック内容 |
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動線の流れ | 玄関〜リビング〜水回りなどの移動がスムーズか |
家具配置 | ソファやベッドなどを置いた際の生活空間や動線をイメージできるか |
部屋構成 | 家族構成や将来の変化に合った間取りになっているか |
写真だけでは広く見えていた部屋も、実際に立ってみると狭く感じることがあるので、感覚的なチェックも大切です。
管理・修繕・耐震性の情報
マンションや築年数の古い物件では、以下のような管理・構造に関する情報も事前に把握しておくのが望ましいです。
- 修繕履歴・修繕積立金の状況
- 管理会社の評判や管理体制
- 耐震基準の適合状況(新耐震か旧耐震か)
- アスベストや土壌汚染の有無(築古・地歴調査が必要な場合)
購入を検討する場合には、重要事項説明書で詳細を確認することになりますが、事前にある程度の情報が分かると安心です。
内見時に持っていきたいもの
内見の際に以下のようなアイテムを持参しておくと便利です。
- メジャー(家具のサイズ確認)
- スマートフォン(写真撮影と録音)
- 方位磁石アプリ(方角や日当たりの確認)
- チェックリスト(見落としを防ぐ)
- メモ帳とペン
1日に複数の物件を見る場合は、後から見返せるよう記録を残しておくと比較検討がしやすくなります。
おわりに
内見は、物件選びにおいて非常に重要なステップです。図面や説明だけでは見えてこない細かな点を、自分の目と感覚で確かめておくことで、後悔のない選択につながりやすくなると思います。
些細に思えるポイントでも、実際の生活においては大きな差となることがありますので、丁寧にチェックしていくのがよいかと思います。