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キャッシュフロー計算の基本と活用

不動産投資では、利回りや収益性の指標だけでなく、毎月どれくらいの現金が残るのかを確認することがとても大切になります。実際の投資では数字の見え方が複雑になりやすいため、キャッシュフローを整理しておくことで判断がしやすくなります。

ここでは、キャッシュフロー計算の基本的な考え方と、判断に役立てるための活用方法をまとめていきます。

キャッシュフローとは

収入と支出から現金の動きを把握する考え方

キャッシュフローとは、一定期間で「どれだけ現金が入ってきて、どれだけ出ていったか」を整理する考え方です。不動産投資では家賃収入を中心にした入金と、ローン返済・管理費・修繕費などの支出を整理し、最終的にどの程度の現金が残るかを確認します。

利回りだけでは見えない手取り額を把握できるため、投資判断に直結する情報になります。

キャッシュフロー計算の基本構造

家賃収入(インカム)

キャッシュフローの出発点は、入居者からの家賃収入です。ここでは「満室想定」ではなく、空室リスクをある程度織り込んだ見方が現実に近いと思います。

  • 賃料 × 稼働率(例:95%)
  • 共益費や駐車場代があれば加算

運営費(ランニングコスト)

家賃収入から支出を差し引くことで、より実態に近い数字が見えてきます。主な運営費としては次のような項目があります。

  • 管理会社への管理委託料
  • 修繕積立金や日常修繕費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 保険料(火災保険・地震保険など)
  • 入退去時の広告料や原状回復費(平均化して按分)

ローン返済額

運営費を差し引いたあと、ローン返済額を考慮することで「実際に手元に残る現金」を計算できます。返済額は元利均等返済が多く、毎月の返済額が一定になるタイプが一般的です。

キャッシュフローの計算例

具体的な数値を使ったイメージ

たとえば下記のようなワンルームマンションを考えます。

  • 月額家賃:7万円
  • 年間家賃収入:84万円
  • 年間運営費:27万円
  • ローン返済額:年63万円(月約5.25万円)

この場合のキャッシュフローは、

84万円 − 27万円 − 63万円 = ▲6万円

となり、年間ではマイナスの結果になります。
利回りだけを見ると魅力的でも、手元資金が減るケースがあるため、キャッシュフローの確認は欠かせません。

キャッシュフローで見えてくるポイント

手取りベースでの収益性

利回りは「投資対象そのものの収益性」を示す指標ですが、キャッシュフローは「投資家本人の財布への影響」を見る指標です。ローン返済や税金を踏まえたうえでプラスになるのかを確認することで、より現実的な判断につながります。

返済比率のバランス

返済額が家賃に対して大きいと、手元資金が圧迫され、突発的な修繕費に対応しづらくなります。安全性を考えたいときは、

返済比率=ローン返済額 ÷ 家賃収入

を確認し、6割を超える場合は慎重に検討しておくのがよいと思います。

長期的な改善余地

キャッシュフローがマイナスであっても、返済が進むことで元本が減り将来的に改善することもあります。また、賃料改定や管理コスト削減によって収支改善が可能な場合もあるため、短期だけで判断しない視点も大切だと感じます。

キャッシュフローを活用する場面

購入前の収支シミュレーション

物件購入前にキャッシュフローを試算しておくことで、資金計画に無理がないかを確認しやすくなります。複数の物件を比較する際にも、有効な判断軸になります。

長期保有の計画づくり

保有年数が長くなるほど修繕費が増えるため、長期のキャッシュフロー表を作ると、不動産の将来像をイメージしやすくなります。

売却タイミングの検討

キャッシュフローが安定している時期や、返済が進んで手残りが増えるタイミングは、売却の判断材料にもなります。保有コストと将来価値を比較しながら、出口戦略を考える際に役立つ視点です。

おわりに

キャッシュフローは、不動産投資の実態を把握するうえで重要な指標です。表面利回りや実質利回りだけでは見えにくい「現金の動き」を整理することで、投資判断がより明確になっていきます。短期の収支だけでなく、長期保有の視点を取り入れながら、自分に合った資金計画を立てていくのがよいと思います。

reona: