のし紙の書き方と用途別の基本マナー

のし紙は、贈り物の上にかける紙のことで、「誰から」「どのような気持ちで」贈られたものかを示すための礼儀として使われます。

本来は熨斗(のし)という飾り(折りのし)と、水引が組み合わされたものを指しますが、現代では印刷された簡易的なものが一般的です。

のし紙の基本構成

  1. のし(飾り)
    祝儀用の贈り物にのみ印刷される。弔事では使用しない。
  2. 水引(みずひき)
    中央に描かれる結びのデザインで、結び方や色によって意味が変わる。
  3. 表書き
    上段に贈る目的(例:御祝、内祝、御霊前など)を記す。
  4. 名入れ
    下段に贈り主の名前を記す。連名や会社名も可。

水引の種類と意味

水引の種類 主な意味・用途
蝶結び(花結び) 何度あってもよい祝い事(出産・入学・季節の贈り物など)
結び切り 一度きりであるべきこと(結婚・快気祝いなど)
あわじ結び(淡路結び) 固く結ばれる意味を持ち、結婚や弔事など幅広く使える

水引の本数は5本または7本が一般的で、7本はより丁寧な贈り物に使われます。

用途別のし紙一覧

祝い事

贈る目的 表書き 水引 のしの有無
結婚祝い 寿、御祝 紅白10本結び切り あり
出産祝い 御出産御祝 紅白蝶結び あり
入学・卒業祝い 御祝、祝御入学 紅白蝶結び あり
就職祝い 御祝 紅白蝶結び あり
成人祝い 御成人御祝、祝成人 紅白蝶結び あり

お返し・内祝い

贈る目的 表書き 水引 のしの有無
結婚内祝い 内祝 紅白10本結び切り あり
出産内祝い 内祝 紅白蝶結び あり
快気祝い 快気祝、全快祝 紅白結び切り あり
お中元・お歳暮のお返し 御礼 紅白蝶結び あり

お見舞い・弔事

贈る目的 表書き 水引 のしの有無
病気見舞い 御見舞 紅白結び切り なし
お見舞いのお返し 快気内祝 紅白結び切り あり
香典返し 志、満中陰志 黒白または双銀結び切り なし
法要の供物 御供 黒白結び切り なし

季節の贈り物

贈る目的 表書き 水引 のしの有無
お中元 御中元 紅白蝶結び あり
お歳暮 御歳暮 紅白蝶結び あり
暑中見舞い 暑中御見舞 紅白蝶結び あり
寒中見舞い(喪中) 寒中御見舞 水引なし or 黒白 なしが望ましい

表書きと名前の書き方

  • 表書きは縦書きが基本(最近では横書きも可)
  • 名前はフルネームが丁寧(連名の場合、右側が目上)
  • 法人名で贈る場合は会社名+部署名(例:株式会社〇〇 営業部)

印刷済みのし紙に書き加える際は、筆ペンやサインペンで丁寧に書くのが礼儀とされています。

贈るときの注意点

  • 熨斗紙は包装の「内側(内のし)」または「外側(外のし)」にかけます。
    店頭では「控えめな内のし」が一般的。職場や取引先への贈答は「外のし」が多いです。
  • 相手の宗教・地域・慣習によって適さない表書きもあるため、事前に確認できる場合は確認しておきましょう。
  • 店舗によって無料サービスでのしを付けてもらえることが多いため、注文時に頼んでみてください。
タイトルとURLをコピーしました