贈り物は、品物そのものだけでなく、相手への気遣いが伝わるかどうかも大切になるかと思います。高価な品を選べばよいというものではなく、贈る時期、品物の意味、渡し方まで含めて考えると、失礼なく相手に喜ばれる贈り物ができるかと思います。
ただ、お祝いごとは種類が多く、何をいつ贈ればよいのか迷うものでもあります。気持ちを伝えるで贈っても、時期が遅れたり、相手に合わない品を選んだりすると、かえって戸惑わせてしまうこともありえます。
この記事では、贈り物をするときにまず押さえておきたい基本マナーとして、考え方や選び方、贈る時期、避けたい品物や数字の考え方などを整理してみました。
まず知っておきたい「3つの基本」
贈り物のマナーにはさまざまな作法がありますが、最初に意識したいのは次の3点です。ここを押さえておけば、大きな失敗はほとんど防げるかと思います。
① 贈る時期を外さない
お祝いの品は、”いつ渡すか” も大切なポイントです。結婚祝いを挙式からずいぶん後に渡してしまうと、気持ちがなんとなく遅れて届いた印象になりますし、出産直後の慌ただしい時期に荷物を届けるのは、受け取る側の負担になることもあります。
品物選びに時間がかかりそうなときは、先にお祝いの言葉だけでも伝えておくと、相手にも配慮が伝わります。
② 必ずひとこと言葉を添える
直接手渡しするときは、「おめでとうございます」「心ばかりですが」といった言葉を添えるだけで、贈り物の意味がぐっと伝わりやすくなります。
郵送の場合も、品物だけ届けるより、短いメッセージカードを一枚添えると印象がずいぶん変わります。長い手紙でなくても、「なぜ贈るのか」が伝わる一言があれば十分です。
③ 相手の都合に合わせた渡し方を選ぶ
直接訪問して手渡しするのが丁寧とされる場面は多いですが、相手が多忙だったり体調がすぐれなかったりするときは、むしろ郵送のほうがよいこともあります。
形式を守ることだけでなく、相手が受け取りやすい形への配慮も大切です。事前に都合を確認したうえで、無理のない方法を選ぶのがよいと思います。
品物を選ぶときの3つの視点
何を贈ればいいか迷ったとき、「自分が渡したいもの」より「相手が受け取りやすいもの」を基準に考えると、選択肢がぐっと絞られます。
相手の生活スタイルに合っているか
一人暮らしの方に大容量の食品を贈ると、食べ切れずに困らせてしまうことがあります。小さなお子さんがいるご家庭には、家族みんなで使えるものが喜ばれやすいです。趣味や好みがわかっている相手なら、そこに合わせた品が一番です。相手の暮らしを少し想像してみると、品物の選択肢も絞れるかと思います。
高価すぎる品は相手を困らせることも
あまりに高額な贈り物は、お返しに気を遣わせてしまいます。特に職場の同僚や友人へのプレゼントは、関係性に見合った金額感を意識することが大切です。気持ちを伝えたい場面こそ、「相手が受け取りやすい範囲」を心がけてみてください。
タブーとされる品は一応確認しておく
縁起を大切にする方もいますし、知らずに選ぶと失礼になりかねないケースもあります。「この品は大丈夫かな?」と迷ったとき、後述の「避けたほうがよい品」を参考に一度確認してみてください。
お祝いを贈る時期の目安
「いつ贈ればいいの?」と思ったときのために、大まかな時期の目安をまとめてみました。厳密に1日単位で決まっているわけではありませんが、大きく外れないようにするための参考にしてみてください。
| お祝いの種類 | 贈る時期の目安 |
| 結婚祝い | 挙式の1週間前まで |
| 出産祝い | 出産後1か月以内 |
| 初節句 | 1週間前から当日まで |
| 入園・入学祝い | 4月上旬までに |
| 卒業・就職祝い | 卒業式や入社式の前後2週間以内 |
| 新築・新居祝い | 引っ越し当日から2週間以内 |
| 開店・開業祝い | 前日または当日 |
| 受賞祝い | 受賞決定後〜関連行事までの間 |
どうしても間に合わないときは、何もせず過ごしてしまうより、まずお祝いの言葉を伝えて、後日事情を添えて贈るほうが気持ちは伝わるかと思います。
避けたほうがよい贈り物
縁起や意味の面から、贈り物として避けたほうがよいとされるものがあります。絶対にダメというわけではありませんが、相手が気にする可能性があるなら、選ばないほうが無難です。
お祝い全般で注意したい品
- 刃物:縁を切ることを連想させるため、結婚祝いなどには不向きとされます。
- 櫛(くし):「苦」「死」を連想させるため、縁起を気にする場面では避けるのが無難です。
- 白いハンカチ:別れや弔事を連想させるため、お祝いには向かないとされます。
- 履物・靴下:相手を踏みつける意味合いに受け取られることがあり、目上の方への贈り物では特に注意が必要です。
場面によって避けたい品
- ライターや火に関係する品:新築・開業祝いでは火事を連想させるため避ける考え方があります。
- 鉢植え:病気見舞いでは「根付く→寝付く」を連想させるため不向きです。
- シクラメン:名前から「死・苦」を連想するため、見舞いやお祝いでは避けることがあります。
- 菊:葬儀を連想させるため、慶事には向きません。
- 椿:花が首から落ちる様子を連想させるため、縁起を気にする場面では避けられます。
- あじさい:「色あせる」という印象に重ねて受け取る方もいるため、場面によっては注意が必要です。
現在ではそこまで神経質になる必要のないものもありますが、相手の考え方がわからない場合は、これらを避けておくと安心です。
贈り物の「数」にも気を配る
品物の個数やご祝儀の金額にも、縁起の考え方があります。こちらも神経質になる必要はありませんが、意識しやすい場面では確認しておくと安心です。
縁起がよいとされる数字
- 3・5・7:慶事でよく使われる吉数です。
- 8:末広がりで縁起がよいとされます。
- 2:偶数ですが、夫婦やペアを表すとして使える場面があります。
- 6個・12個:半ダース・1ダースとして「ひとまとまり」に考えられる場合があります。
避けられやすい数字
- 4:「死」を連想させます。
- 9:「苦」を連想させます。
- 10:割り切れる偶数として避ける考え方があります。
- 13:キリスト教圏では不吉とされることがあります。
迷ったときは「相手に負担をかけないか」で考える
贈り物のマナーをひとつひとつ見ていくと、覚えることが多いように感じるかもしれませんが、考え方の中心はシンプルです。
「相手が受け取りやすいか」「困らせないか」「気持ちが自然に伝わるか」の3つを基準にすると、迷いが少なくなります。
適切なタイミングで、相手の状況に合った品を選び、ひとこと気持ちを添えて渡す流れができていれば、贈り物として大切なことは十分に伝わります。
品物の意味や数字の作法は、そのうえで「失礼を避ける」ための知識として役立てるものです。基本を理解したうえで、相手に合わせて選ぶようにすることで、自然で無理のない贈り物になるかと思います。

