引渡しと登記手続きの注意点

不動産売買では、契約締結後に残代金の決済と物件の引渡しが行われます。この段階で初めて所有権が実質的に移転し、取引は完了します。

引渡しは単なる鍵の受け渡しではなく、代金支払い、登記申請、各種精算が同時に行われる重要な手続きです。事前に流れを理解しておくことが重要になります。

決済日の一般的な流れ

関係者の集合

決済日は、買主、売主、不動産会社、金融機関担当者、司法書士が同席します。住宅ローンを利用する場合は、金融機関で手続きを行うケースが一般的です。

残代金の支払い

買主は売買代金の残額を支払います。住宅ローンを利用する場合は、融資実行と同時に売主へ資金が振り込まれます。

固定資産税などの精算

固定資産税や管理費、修繕積立金などは日割り計算で精算されます。どの項目が精算対象になるかは、契約書に基づいて確認しておく必要があります。

登記申請書類の確認

司法書士が登記に必要な書類を確認し、問題がなければ所有権移転登記の申請が行われます。この段階で書類不備があると手続きが進まないため、事前準備が重要です。

鍵の引渡し

すべての手続きが完了した後、売主から買主へ鍵が引き渡されます。これをもって物件の占有が移転します。

所有権移転登記の意味

登記の役割

所有権移転登記は、法務局に対して所有者の変更を公示する手続きです。登記が完了することで、第三者に対して所有権を主張できる状態になります。

登記完了までの時間

登記申請後、完了までは数日から数週間程度かかります。申請が受理された時点で対外的な効力は生じますが、完了通知の確認も必要です。

引渡し前に確認しておきたいポイント

設備の状態確認

引渡し直前に設備の動作確認を行うことで、契約時と状態が変わっていないかを確認できます。引渡し後に発見された不具合は、契約内容に基づいて判断されます。

公共料金の切替

電気、水道、ガスなどの契約名義変更は、引渡し日を基準に手続きを行います。切替のタイミングを整理しておくことで、利用開始がスムーズになります。

火災保険の開始日

買主は引渡し日から建物の管理責任を負います。火災保険の開始日を引渡し日に合わせて設定しておくことが重要です。

売主側の注意点

抵当権抹消の準備

売主に住宅ローンが残っている場合は、抵当権抹消登記の手続きが必要になります。金融機関との調整を事前に済ませておく必要があります。

境界や越境の確認

土地売買では、境界確認書や測量図の扱いが問題になることがあります。契約内容と実態が一致しているかを最終確認しておくことが重要です。

買主側の注意点

融資実行条件の確認

住宅ローンの融資実行には、火災保険加入や書類提出などの条件が付されることがあります。条件が整っていないと決済が延期される場合があります。

資金の準備

諸費用や税金の支払いも発生します。自己資金の振込期限や金額を事前に確認しておく必要があります。

引渡し後に発生しやすいトラブル

引渡し後に設備不具合や書類不足が判明することがあります。契約書や重要事項説明書の内容を基準に対応が決まります。引渡し前に確認できる事項を整理しておくことが、後の負担を減らすことにつながります。

タイトルとURLをコピーしました